10月19日(土) 上映作品
11:30 開場 ※11:50-オープニング
12:00-14:16
©2023 CURIOSA FILMS – GAUMONT – FRANCE 2 CINÉMA
ポトフ 美食家と料理人/La Passion de Dodin Bouffant
[フランス/2023年/136分/フランス語/日本語字幕/配給:ギャガ]
監督・脚本:トラン・アン・ユン
出演:ジュリエット・ビノシュ、ブノワ・マジメル ほか
第76回カンヌ国際映画祭 最優秀監督賞受賞、第96回アカデミー賞 国際長編映画賞フランス代表!名匠トラン・アン・ユンが描く料理への情熱で強く結ばれた美食家と料理人の愛と人生を味わう感動の物語。
〈食〉を追求し芸術にまで高めた美食家ドダンと、彼が閃いたメニューを完璧に再現する料理人ウージェニー。二人が生み出した極上の料理は人々を驚かせ、類まれなる才能への熱狂はヨーロッパ各国にまで広がっていた。ある時、ユーラシア皇太子から晩餐会に招待されたドダンは、豪華なだけで論理もテーマもない大量の料理にうんざりする。〈食〉の真髄を示すべく、最もシンプルな料理〈ポトフ〉で皇太子をもてなすとウージェニーに打ち明けるドダン。だが、そんな中、ウージェニーが倒れてしまう。ドダンは人生初の挑戦として、すべて自分の手で作る渾身の料理で、愛するウージェニーを元気づけようと決意するのだが...。
時は19世紀末、舞台はフランス北西部の森の中に佇むアンティークなシャトー。そこに暮らす有名な美食家ドダンと天才料理人ウージェニーが、究極のメニューを次々と創り出す。ウージェニーを演じるのはオスカー女優のジュリエット・ビノシュ、ドダンにはブノワ・マジメル。深い絆と信頼で結ばれ互いをリスペクトしているが、プロとして自立しているウージェニーは、ドダンのプロポーズを断り続けてきた。そんな二人の料理への情熱と愛の行方が描かれる。監督は繊細な映像美で高く評価されるトラン・アン・ユン。調理過程の撮影はワンカット、魚と肉を焼く音が音楽、ミシュラン三つ星シェフのピエール・ガニェールが完全監修。新たな文化が繁栄した時代“ベルエポック”に、“美食”もまた芸術のひとつとして追求された。つまり、〈食〉とは一大エンターテインメントだということ。その深さと楽しさを存分に堪能させてくれる、〈新たなるグルメ映画の傑作〉が誕生した!
14:25-14:55
トークイベント
【ゲスト】
柴田 勇作 氏(PRISM LABエグゼクティブシェフパティシエ)
【テーマ】
フランス食文化を通じて感じたこと
■柴田 勇作 氏(PRISM LABエグゼクティブシェフパティシエ)■
東京生まれ・ハワイ育ち。「CRIOLLO」や「ザ・ペニンシュラ東京」などの有名店でパティシエとして研鑽を積み、国内外の大会で優勝・受賞の実績を重ねる中、徳島の木頭ゆずに出会う。木頭ゆずを使用したボンボンショコラで「トップ・オブ・パティシエ・イン・アジア2019」部門最優秀賞を受賞したことを契機に2022年4月徳島に移住。
2023年1月、フランス・リヨンで開催された洋菓子のオリンピックと呼ばれる世界大会「クープ・デュ・モンド・ドゥ・ラ・パティスリー 2023」日本代表チームに選出され、8大会16年ぶりの優勝に貢献。帰国後の2024年2月、徳島で自身のパティスリー『PRISM LAB』を万代町にオープン。
15:25-16:45
©︎2020 NORD-OUEST FILMS―SND GROUE M6ーFRANCE 3 CINÉMA―AUVERGNE-RHôNE-ALPES CINÉMA―ALTÉMIS PRODUCTIONS
ベルヴィル・ランデヴー/Les Triplettes de Belleville
[フランス・カナダ・ベルギー/2002年/80分/フランス語/日本語字幕/配給:チャイルド・フィルム]
監督・脚本・絵コンテ・グラフィックデザイン:シルヴァン・ショメ
声の出演:ジャン=クロード・ドンダ、ミシェル・ロバン、モニカ・ヴィエガス ほか
21世紀フランス・アニメーション映画の傑作。おばあちゃん力全開 “人生に必要なのは腕力でも権力でもない”。ピンチもへっちゃら、愛さえあれば。
戦後間もないフランス。内気で孤独な少年シャンピオンが情熱を傾ける自転車レース。孫を不憫に思うおばあちゃんとの特訓が実を結び、遂にツール・ド・フランスに出場するもそこで、事件は起きる。マフィアに誘拐された孫を追って、愛犬ブルーノとともにシャンピオン奪還のための大冒険が始まる。協力してくれるのは伝説の三つ子ミュージシャンの老婆、腕力では敵わないが、人生経験と知恵そしてユーモアと愛で数々の難局を乗りきっていく。
2003年のカンヌ国際映画祭で特別招待作品として上映され、ニューヨーク映画批評家協会賞をはじめ多くの映画賞を受賞し、フランス映画として初めてアカデミー賞の長編アニメーション映画部門にノミネート。その後も世界各国の名作アニメーション・ランキングに必ず選出される21世紀を代表する傑作。バンド・デシネ作家からキャリアをスタートさせたシルヴァン・ショメ監督の映像は、台詞の少なさに反比例するかのように多くを語る。見る者の常識を心地よく裏切っていく展開は、いつの間にか画面から目を離せなくする不思議な力を持つ。アンバランスな体つきや奇妙な動き、個性的な登場人物など細部にまで皮肉やユーモアが効いている。監督が敬愛するジャック・タチ、マックス・フライシャーのアニメーション、チャールズ・チャップリンら監督の少年時代、50年代を彩るさまざまな著名人への愛に溢れたオマージュが捧げられている。随所に散りばめられた、あそび心たっぷりのたくさんの仕掛けも見逃せない。アカデミー賞歌曲賞にノミネートされた主題歌、ジャンゴ・ラインハルトへのオマージュ、“伝説の三つ子”が歌うスウィンギング・ジャズ、バッハやモーツァルトまで自由自在に、しかし映画にぴたりとよりそう音楽。ダイアローグがほとんどないことを観客に忘れさせ、この映画を洒脱なものにするのに大きく貢献している。